構造解析装置
ラマン分光分析装置(Raman)による受託サービス
有機・無機化合物の異物同定、構造解析、樹脂材料の応力測定を実施します。
概要
レーザー光を使用するラマン分光装置(Raman)は、赤外線を使用するFT-IRでは測定できない小さな異物や、無機化合物の同定が行える装置です。
空間分解が高い事より、化合物の結晶性、樹脂材料の応力評価、炭素材料の結晶評価などに用いられてます。

原理
ラマン分光装置(Raman)は、レーザー光を試料に照射し、発生するラマン散乱光を測定する装置です。
ラマン散乱光は、化合物の持つ分子振動エネルギーを表し、構造の同定を行う事が可能です。
又、スペクトルの半値幅を用いて結晶性を評価したり、ピークシフト量で応力の評価に用いられます。

特徴
微小異物の化合物同定
顕微鏡にて測定位置を確認しながら、肉眼では確認出来ない数μmの異物や膜などを狙って
分析をします。分析にて得られたラマンスペクトルとライブラリーを照合して、化合物を推定します。
ライブラリーにない化合物でも比較物があれば問題ありません。

しみ、変色部など構造変化部位の可視化(イメージマッピング)
化合物に特徴的なピークを用いて、イメージマッピングが可能です。光学顕微鏡の写真と対比して
劣化部位、結晶性の異なる部位、付着物の付着エリア、膜の剥がれ部位など可視化できます。
レーザーを使用してますので、透明な樹脂やガラスであれば深さ方向への分布を確認できる
3Dマッピングも可能です。

炭素材料の結晶性評価
結晶性を評価できるラマンの特長を生かし、炭素材料の評価ができます。
炭素材料ではDバンドとDバンドの比率(D/G比)にて材料の特性が大きく変わります。

応力の可視化
ラマンスペクトルは、X線残留応力と同様、応力によりピークがシフトします。
このピークシフトの度合いにより、X線では困難であった樹脂材料の応力分布を可視化、定量化します。

用途
微小異物の化合物分析
FT-IRでは測定できないミクロンオーダーの異物、膜、しみを同定します。
こげの分析
炭化が進んてしまいFT-IRで測定困難なこげを解析します。
埋没異物の測定
可視レーザー光の特性を生かし、透明な樹脂やガラスに埋没している異物を破壊せず測定できます。
又、3Dマッピングにより、視覚化、深さ方向へ分布の確認も可能です。
炭素材料、DLCなどのD/G比測定
炭素材料のD/G比は特性に大きく影響します。熱処理や摩擦試験後の変化・評価に用いられます。
樹脂材料の応力可視化
ラマンシフトを利用して、応力を可視化(マッピング)します。
設備紹介
レニショー製
inVia
●搭載レーザー:532nm、785nm
●検出器:CCD
●波数分解能:1cm⁻¹
●オプション:Leica顕微鏡システム、自動ステージ、イメージングソフトウェア
ラインフォーカルマッピング、2次元・3次元マッピング
Q&A
- FT-IRよりラマンが優れる点はどこですか?
- 共に有機化合物分析が可能ですが、微小部、微少領域の測定にラマンが有利です。
又、分解能が高い事よりピークのシフト幅や半値幅から結晶性や応力など有用な情報が得られます。 - ラマンの欠点は何ですか?
- FT-IRに比べてライブラリー数が非常に少ない事(HITしない確率が高い事)とラマン特有の
蛍光という妨害で測定できない可能性が有る事、レーザーによるサンプルの焼けなどです。 - どれくらの大きさがあれば測定できますか?
- 数μmほどあれば測定可能です。
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