受託分析

カーエレクトロニクスやライフサイエンスの分析・解析で研究開発をサポートします。

物理分析による受託サービス

FE-SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)

電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、高倍率での表面形態観察、微小領域の元素分析を実施します。

概要

FE-SEM 観察、EDX分析の委託先にお困りではありませんか?

JTLは総合受託会社として、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、試料表面の形態観察を低倍率から高倍率まで幅広く実施します。

FE-SEM観察では、走査型電子顕微鏡(汎用SEM)より高倍率での観察が可能で、表面の凹凸状態や、組成の分布状態、結晶粒子の状態等の観察、さらにEBSDによる結晶方位解析も実施可能です。FE-SEMに付属するエネルギー分散型X線分析装置(EDX)による、元素分析にも対応しています。また、FE-SEM観察・EDX分析の前後に必要な工程である信頼性評価試験や断面研磨、化学分析、寸法測定等の他サービスもまとめてご依頼いただけます。

岐阜県大垣市・愛知県豊田市・兵庫県神戸市の3拠点に複数台保有しているため、分析実施までをスムーズにご案内できます。ご希望があれば立会い分析(一部、リモート立会いも選択可)も可能です。

外部委託先・試験場をお探しの方は是非ご依頼ください。

原理

細い電子線(電子プローブ)を試料に照射すると、試料表面から二次電子・反射電子・特性X線等の電子やX線が放出されます。
FE-SEMでは、電子線源として電界放出型(FE)が用いられおり、観察時は電子プローブを二次元的に走査しながら、二次電子や反射電子の多い少ないを検出して1枚の画像にすることで、試料表面の凹凸や組成コントラストを観察する事ができます。
EDX分析では試料から検出される特性X線のエネルギー・強度・位置等の情報から、元素の分析を行います。

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特徴

低倍率から高倍率(約300,000倍)までのFE-SEM観察

FE-SEMでは低倍率(数倍)から高倍率(約300,000倍)までの幅広い倍率での観察が可能です。 それ以外の倍率での観察をご希望の場合、金属顕微鏡(~1,000倍)、デジタルマイクロスコープ(~5,000倍)、SEM(~約20,000倍)、TEM(~約1,500,000倍)等、各種設備にて対応可能です。

EBSDによる結晶方位解析

EBSD(電子線後方散乱回折法)を利用して結晶性試料の組織解析が可能です。

EDX(エネルギー分散型分析装置)による元素分析

FE-SEM装置にEDXが装着されており、試料表面を構成する元素の種類・量・分布状態を調査することが可能です。 EDXによる元素分析の定量精度は、金属の場合おおよそコンマ数%オーダーとなります。

大型製品の観察

観察可能な試料寸法は70mm×50mm×25mm(H)のため、大型の試料も投入できます。

技術事例

基板表面に発生した傷の調査

試料表面に発生したクラックや傷、変色等の各種異常部位に対して、断面試料作成により内部の観察・分析が可能です。断面分析により、「表面異常が内部までどの程度入り込んでいるか」「内部に原因物質が存在しているか」等の情報を得ることができます。

はんだ接合部の断面観察・はんだの成分調査

機械研磨で1mm程度、イオンミリング加工であれば数十μmの位置を正確に断面を作成することが可能です。基板の半田や端子、あるいは異種材料の接合部などの内部構造の把握が可能です。

ニッケルクロムめっきのマッピング分析

めっきや酸化被膜といった表面処理の物性や組成を調査します。 結晶構造や組織の観察、マッピング分析により成分の分散状態を確認することが可能です。また、膜厚の測長にも対応しています。

EBSDによる結晶方位解析

・金属プレートの破損部周辺の結晶組織解析
・カシメ部めっきの結晶組織解析
・結晶粒内クラック周辺の結晶方位解析
・はんだの試験前後品の結晶組織変化の解析
・セラミックス品の結晶方位配向性解析
・溶接部破損部の結晶組織解析

その他

・付着物、異物の観察や分析
・錆、ボイド、亀裂等の発生箇所の観察や分析
・材料の破断面の観察
・金属製品の腐食状態の観察
・溶接品(レーザー・TIG・アーク・スポット・抵抗等)の表面や断面調査
・熱処理品(高周波・アニール・TIC・浸炭・真空等)の表面や断面調査

設備ラインナップ

  • JEOL製

    JSM-7800F/JED-2300

    FE-SEM
    ●最大試料寸法:
     70mm×50mm×25mm(H)
    ●ステージ傾斜:-5°~+70°   
    ●分解能:
     0.8nm(15kV)、1.2nm(1kV)
    ●最高観察倍率:300,000倍(有効倍率)

    EDX
    ●分析試料最大高さ:25mm
    ●分析元素範囲:B~U
    ●エネルギー分解能:138eV以下 
    ●分析定量精度:±数1,000ppm以上

    EBSD
    ●TSL製 OIM Data Collection
     (EBSD測定ハード/ソフト)
    ●TSL製 OIM Analysis(EBSD解析ソフト)

    ●所有事業所:豊田事業所

  • JEOL製

    JSM-7001F/JED-2300

    FE-SEM
    ●最大試料寸法:
     70mm×50mm×25mm(H)
    ●分解能:
     1.2nm(30kV)、3nm(1kV)
    ●最高観察倍率:100,000倍(有効倍率)

    EDX
    ●分析試料最大高さ:25mm
    ●分析元素範囲:B~U
    ●エネルギー分解能:133eV以下 
    ●分析定量精度:±数1,000ppm程度以上

    ●所有事業所:本社

  • JEOL製

    JSM-7000F/JED-2300

    FE-SEM
    ●最大試料寸法:
     70mm×50mm×25mm(H)
    ●分解能:1.2nm(15kV)
    ●最高観察倍率:100,000倍(有効倍率)

    EDX
    ●分析試料最大高さ:25mm
    ●分析元素範囲:B~U
    ●エネルギー分解能:133eV以下 
    ●分析定量精度:±数1,000ppm程度以上

    ●所有事業所:豊田事業所

  • 日立ハイテク製

    Regulus 8230

    Cold FE-SEM
    ●最大試料寸法:φ150mm×27mm(H)
    ●分解能:
     0.7nm(15kV)、0.9nm(1kV)
    ●最高観察倍率:2,000,000倍(表示倍率)
    ●加速電圧:0.01~30kV
     ※減速光学系使用時
    ●検出器:Top、Upper、Lower検出器、
     半導体形反射電子検出器、STEM検出器
    ●雰囲気遮断機構付き試料交換装置

    EDX
    ●分析元素範囲:Be~Cf
    ●エネルギー分解能:127eV以下
    ●有効検出素子面積:150mm²

    EBSD
    ●Oxford Instruments製
     NordlysNano
    ●EDXとEBSDの同時収集が可能
    ●所有台数:2台

    ●所有事業所:豊田事業所、神戸事業所

Q&A

Q.データはどのような形式でいただけますか?

A.基本は弊社フォーマットにて報告書を作成しますが、ご希望があれば貴社フォーマットでのデータの提出も可能です。また写真の元データもJPEG・BMP・TIFFの形式で提出可能です。

Q.FE-SEMでの測長は可能ですか?

A.可能です。面積計算は画像処理した写真からの算出になります。

Q.試料の調整(前処理・断面研磨等)から作業を依頼することは可能ですか?

A.切断・研磨・エッチング・イオンミリング等の設備を所有していますので、観察・分析の前処理が可能です。また蒸着は条件・目的に応じて、カーボン(C)、金(Au)、白金(Pt)、白金‐パラジウム(Pt‐Pd)、オスミウム(Os)から選択します。

Q.FE-SEM以外の設備による観察は可能ですか?

A.金属顕微鏡(~1,000倍)、デジタルマイクロスコープ(~5,000倍)、SEM(~約20,000倍)、TEM(~約1,500,000倍)等、各種設備にて対応可能です。

評価業務にお困り事はございませんか?

JTLはお客様の頼れるパートナーとして、
シチュエーションに応じた迅速丁寧な対応を心がけております。
どんな些細なことでも構いませんので、
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