受託分析

カーエレクトロニクスやライフサイエンスの分析・解析で研究開発をサポートします。

物理分析による受託サービス

FE-EPMA(電界放出型電子マイクロアナライザ)

電界放出型電子マイクロアナライザ(FE-EPMA)を用いて、微少領域の元素分析をサブミクロンオーダーの高感度で実施します。

概要

電界放出型電子プローブマイクロアナライザ(FE-EPMA)を用いた測定・解析の委託先にお困りではありませんか?

JTLは総合受託会社として、FE-EPMAを用いて、SEM像の撮影及びWDX(波長分散型X線分析装置)による元素分析を行います。EDXによる元素分析よりも定量精度が良く(±100ppm~数1,000ppm)、汎用型のEPMAよりも分析の空間分解能が良い(サブミクロンオーダー)ことが特徴です。厚みが数100nmの薄膜の断面分析や、接合部分の微量元素の拡散状態の分析などにご利用いただけます。

また、観察・測定データのご提供だけでなく、環境試験や材料試験、試料の前処理(カット・研磨・エッチング)、化学分析などの一連の受託サービスをご提供しています。

外部委託先・試験場をお探しの方は是非ご依頼ください。


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原理

EPMAでは電子線を試料に照射して、発生する特性X線を検出することで、試料を構成している元素とその量を測定します。
半導体検出器を用いるEDX(エネルギー分散型X線分析装置)とは特性X線の検出方法が異なり、WDXでは特性X線の波長を分光結晶を経由して検出します。
SXESでは軟X線を回折格子にて分光し、CCDにて異なるエネルギーのスペクトルを同時検出します。

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特徴

多彩な分析手法

定性分析、定量分析(スタンダード定量・スタンダードレス定量)、ライン分析(線分析)、面分析、カラーマッピング等が可能です。
分析と同時にSEM像の撮影(二次電子像、反射電子像他)も可能です。

微小領域(サブミクロンオーダー)の分析空間分解能

FE-EPMAは電解放射(FE)型電子銃を採用しており、低加速電圧、WDX分析電流範囲(10~100 nA)でも微小プローブが得られるため、低加速電圧を用いた高いX線空間分解能の分析が可能です。
サブミクロンオーダーまで分析領域が絞れるため、30,000倍程度でのマッピングも実施可能です。

優れたエネルギー分解能

エネルギー分解能が10eV程度と高いため、EDXでは分離不可能なピークの解析も可能です。

微量元素(±数100ppm~数1,000ppmの定量精度)の分析

分光結晶のチャンネル1つに対して1元素を分析することから、±数100ppm~数1,000ppm(0.01~0.1%オーダー)の微量な元素の分析に適しています。
金属材料の判別や微量元素の拡散状態の分析などの実施が可能です。

微量元素・軽元素の高感度検出

微量元素は100ppm(0.01%)程度の検出限界になります。(※元素によって異なります。)
軽元素の高感度分析用の分光結晶も装備されていますので、B~Uまでの元素の高精度な定量が可能です。

SXES(軟X線分光)を用いた超軽元素の高感度検出

超軽元素の検出が可能かつ、WDSよりも高エネルギー分解能での元素分析が可能なSXES(軟X線)分光器を搭載しています。Liからの元素検出に対応しており、Liイオンバッテリーの分析に対応します。WDSに比べて20倍以上のエネルギー分解能が達成されているため、WDSでもピーク重畳が発生する部材(窒化チタン等)においてもピーク分離が可能です。
またBベースで検出限界は20ppmであるため従来のWDSでは検出できなかった微量元素の検出が可能です。

トランスファーベッセルを用いた大気非曝露分析

Liイオンバッテリー解析に有効な大気非曝露トランスファーベッセルに対応しています。大気、水分に対して活性なサンプルにおいても、グローブボックスを介しハンドリングが可能です。また、CP加工機から直接サンプルを導入できるため、より新生面での断面分析が可能です。

技術事例

はんだ中の微量成分の分布状態分析

Pbフリーはんだの二次電子像とFE-EPMAによるマッピング

合金層の断面観察・成分分析・マッピング

合金層の反射電子組成像とFE-EPMAによるマッピング

メッキの断面観察・成分分析・マッピング

厚み数10nmのAu薄膜のマッピング
溶接部の断面金属組織観察・成分分析・マッピング
鉱物の断面観察・成分分析・マッピング
無機異物の定性・定量分析

電子基板の広域断面観察・元素マッピング

最大幅8mmでの断面加工が可能な広域CP加工機を用いて、広域での研磨ダメージレスの断面観察及びに元素分析が可能です。また、高解像度でのマッピングが可能なため、マッピング画像を拡大しての詳細確認も可能です。

設備ラインナップ

  • JEOL製

    JXA-8500F

    ●最大試料寸法:
     100mm×100mm×20mm(H)
    ●最大分析領域:90mm×90mm
    ●分析元素範囲:B~U
    ●波長分解能:10eV
    ●分析定量精度:
     ±数100ppm~数1,000ppm
    ●加速電圧:1~30kV(0.1kVステップ)
    ●照射電流範囲:1×10⁻¹¹~5×10⁻⁷A
    ●電子像分解能:
     3nm(WD11mm、30kV)
    ●所有台数:1台
    ●所有事業所:本社

  • JEOL製

    JXA-8530FPlus

    ●最大試料寸法:
     100mm×100mm×50mm(H)
    ●最大分析領域:90mm×90mm
    ●分析元素範囲
     :SXES Li~Ti
     :WDS B~U
     :EDS  B~U
    ●波長分解能:8eV
    ●分析定量精度:
     ±数100ppm~数1,000ppm
    ●検出限界:20ppm(B) SXES
    ●加速電圧:
     1~30kV(0.1kVステップ)
    ●照射電流範囲:1×10⁻¹¹~1×10⁻⁶A
    ●電子像分解能:
     3nm(WD11mm、30kV)
    ●搭載オプション:
     SXES(軟X線分光器)SS-9400SXES
     非曝露トランスファーベッセル
     WDS-EDSコンバインシステム
    ●所有台数:1台
    ●所有事業所:神戸

Q&A

Q.試料の状態・形状に制約はありますか?

A.ガスや水分が発生しない固体・粉体試料に対応可能です。
紛体試料は、樹脂埋めなど別途前処理が必要になります。表面に凹凸のある試料には対応できません。

Q.試料調整からお願いしたのですが、対応は可能ですか?

A.カット・断面研磨・エッチング・蒸着・ガラスビード作製等の各種試料調整に対応しています。
10,000倍を超える観察・分析には、イオンミリング(CP加工)による断面仕上げを行います。FIB装置を用いてのサブナノオーダーの試料摘出、断面作成も可能です。

Q.微量元素の検出限界・定量精度はどれぐらいですか?

A.元素によって異なりますが、WDSにおいては100ppm(0.01%)程度の検出限界、±数100ppm~数1,000ppm(0.01~0.1%オーダー)程度の定量精度です。SXESにおいてはBベースで20ppmの検出限界になります。

Q.軽元素の分析は可能ですか?

A.WDSではB~Uの元素の検出が可能です。またSXES(軟X線分光)ではLiからの超軽元素の検出が可能です。

Q.マッピングはどれぐらいの高倍率まで可能ですか?

A.試料形状・材質にもよりますが、おおよそ30,000倍までのWDXマッピングが可能です。

Q.より定量精度の良い分析は可能ですか?

A.湿式分析(ICP-AES・ICP-MS等)や、GC・HPLCなどの微量元素分析にも対応していますので、まずはお問い合せ下さい。

評価業務にお困り事はございませんか?

JTLはお客様の頼れるパートナーとして、
シチュエーションに応じた迅速丁寧な対応を心がけております。
どんな些細なことでも構いませんので、
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