受託分析
カーエレクトロニクスやライフサイエンスの分析・解析で研究開発をサポートします。
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各種材料の結晶方位解析の委託先にお困りではありませんか?
JTLは総合受託会社として、結晶方位測定装置(SEM-EBSD)を用いて、各種材料の結晶組織解析を行います。
材料の性質を知るには、材料の個々の結晶粒の方位を知り、それらがどのように配向しているのか明らかにする必要があります。特に結晶性の材料においては、結晶方位の配向性や粒径、粒の形状などの組織構造がその性質を決定づける場合が多くあるため、製品を開発する上では非常に重要なパラメーターになります。EBSD法は個々の結晶粒の方位を知ることが可能であるため、1993年に材料の組織観察手法として確立されて以来急速に発達し、材料組織の定量的解析には不可欠な手段として認識されています。
装置は愛知県豊田市・兵庫県神戸市の2拠点に保有しているため、分析実施までをスムーズにご案内できます。ご希望があれば立会い分析(一部、リモート立会いも選択可)も可能です。
外部委託先・試験場をお探しの方は是非ご依頼ください。
結晶性試料に電子線を照射すると、電子は非弾性散乱し、結晶格子面で回折され、菊池パターン(菊池図形、EBSDパターン )という回折図形をもった反射電子として放出されます。これをスクリーンに投影し、菊池パターンに方位の指数づけを行うことで結晶方位を求めることができます。さらに電子線を走査して菊池パターンをマッピングすることにより、試料表面の方位マップや結晶粒の情報が得られます。
●マッピング例
Image Quality Map (IQ マップ):菊池パターンの鮮明度を表します
Inverse Pole Figure Map (IPF マップ, 逆極点図マップ):結晶方位を色で表します
Boundary Map (結晶粒界マップ):結晶粒界(傾角や対応粒界)を表します
Grain Map (結晶粒マップ):任意の粒界傾角で定義した結晶粒を表します
Phase Map (相分布図):結晶系で判別した結晶相を表します
Crystal Direction Map:試料座標の方向を基準とした結晶方位の分布を表します
Kernel Average Misorientation Map (KAMマップ):隣り合うピクセルとの方位差を表します
Grain Reference Orientation Deviation Map (GRODマップ):1つの結晶粒内のある基準方位からの方位差を表します
●グラフ例
Grain Size Chart:マップ内の粒径分布を結晶粒数または面積比で表します
Crystal Direction Chart:マップ内の試料座標の方向と平行になる結晶方位の分布を面積比で表します
Misorientation Angle Chart:マップ内の粒界の回転角を表します
Pole Figure (極点図):試料座標系に対して指定された結晶面の法線方向をステレオ投影上に表します
Inverse Pole Figure (逆極点図):試料座標系の特定の方向に対して指定された結晶面の法線方向を表します
FE-SEMの機構を使用することで、数10nmの分解能でEBSDのマッピングが可能です。(汎用SEMの場合の分解能は数100nmです。) ただし、試料の結晶粒径が数10nm以下の場合測定が難しい場合があります。
より高い精度での測定を行うために、試料調整にて残留歪みやコンタミのない試料面を作ります。試料調整の方法は精密研磨、イオン切削加工(FIB加工、CP加工)、ミクロトーム加工があげられます。弊社内で試料調整することで、移動中の酸化やコンタミの可能性が減らすことができ、また再測定の場合の再調整が行いやすいというメリットがあります。
冷熱サイクル試験、熱衝撃試験(ヒートショック試験)、電気試験など、各種試験と組み合わせて、初期品と試験後品の結晶組織の比較解析が可能です。
JEOL製
FE-SEM
●最大試料寸法:
70mm×50mm×25mm(H)
●ステージ傾斜:-5°~+70°
●分解能:
0.8nm(15kV)、1.2nm(1kV)
●最高観察倍率:300,000倍(有効倍率)
EDX
●分析試料最大高さ:25mm
●分析元素範囲:B~U
●エネルギー分解能:138eV以下
●分析定量精度:±数1,000ppm以上
EBSD
●TSL製 OIM Data Collection
(EBSD測定ハード/ソフト)
●TSL製 OIM Analysis(EBSD解析ソフト)
●所有事業所:豊田事業所
日立ハイテク製
Cold FE-SEM
●最大試料寸法:φ150mm×27mm(H)
●分解能:
0.7nm(15kV)、0.9nm(1kV)
●最高観察倍率:2,000,000倍(表示倍率)
●加速電圧:0.01~30kV
※減速光学系使用時
●検出器:Top、Upper、Lower検出器、
半導体形反射電子検出器、STEM検出器
●雰囲気遮断機構付き試料交換装置
EDX
●分析元素範囲:Be~Cf
●エネルギー分解能:127eV以下
●有効検出素子面積:150mm²
EBSD
●Oxford Instruments製
NordlysNano
●EDXとEBSDの同時収集が可能
●所有事業所:豊田事業所、神戸事業所
Q.データはどのような形式でいただけますか?
A.基本は弊社フォーマットにて報告書を作成しますが、ご希望があれば貴社フォーマットでのデータの提出も可能です。また写真の元データもJPEG・BMP・TIFFの形式で提出可能です。
Q.どのくらいの大きさの試料まで対応可能ですか?
A.一回の測定で最大面積900×900μmまで対応可能です。それ以上の大きさの試料では複数回に分けてマッピングを行い、マップをつなぎ合わせて一つのマップを作成します。
Q.事前に必要な情報はありますか?
A.EBSD解析は試料に含まれる結晶相を入力して行うため、事前に結晶相を知る必要があります。結晶相が分からない場合は事前にXRD測定等で特定する必要があります。結晶相の例としては、鉄ならばα鉄(α-Fe、フェライト)やγ鉄(γ-Fe、オーステナイト)が挙げられます。
Q.どんな試料でも測定可能ですか?
A.結晶性をもつ試料であれば対応可能です。また結晶粒径が数10nm以上から測定可能です。ただし、磁性を持つ試料の場合、SEMの電子線が歪められ測定できないことがありますのでご相談ください。
評価業務にお困り事はございませんか?
JTLはお客様の頼れるパートナーとして、
シチュエーションに応じた迅速丁寧な対応を心がけております。
どんな些細なことでも構いませんので、
まずは下記のメールフォームよりお気軽にお問い合わせください。