表面解析装置
X線残留応力測定機による受託サービス
残留応力測定機により試料表層の残留応力を非破壊で測定します。
概要
X線残留応力測定機を用いて、多結晶体材料の表層部の応力測定を実施致します。
X線回折の原理を利用した応力測定は製品の材料開発・品質評価に至るまで、幅広く利用されています。
本設備での測定は、非破壊・微小部・高精度・短時間での残留応力測定が実施可能です。
原理
結晶に決まった波長のX線を入射させると特定の方向(角度)に強く反射します。この現象がX線の回折現象です。残留応力測定装置はこのX線回折の現象を利用して測定を行っています。
無数のランダムな結晶粒から成り立つ材料に応力が加わると、材料の弾性限界内において応力の大きさに比例し、格子面間隔の伸び縮みが起こります。
数ある結晶格子面のうち、1つの格子面の変化をX線の入射を変えることによって測定を行います。

特徴
非破壊測定が可能
X線回折の原理を利用しているため、試料に対するダメージはほとんどありません。傷をつけたくない製品の測定、同一製品での工程毎の応力の変化の測定が可能です。
深さ方向の測定が可能
電解研磨装置でエッチングをすることにより、深さ方向の応力分布が測定可能です。
局部測定が可能
微小部(コリメータサイズでφ150μmまで)の測定が可能です。歪ゲージで測定できない局所でのピンポイント測定が可能です。
ティーチング測定が可能
ティーチング機能で測定位置・測定条件をプログラミングすることにより、自動計測が可能です。多数個サンプルの測定時間を大幅に短縮できます。
大型重量試料の測定が可能
試料据え置きの試料水平ゴニオメータを採用しており、最大サイズφ320mm×215mmt、重さ20kgまでご対応。
残留オーステナイトの定量が可能
X線回折の原理を利用した、鋼材の表層部の残留オーステナイトの定量にご対応できます。
総合的なメリット
・開発スピードUP・・・製品の強度検討など
・試験・試作の合理化・・・耐久性試験品の検討、製造工程の検討など
・品質保証レベルのベースUP・・・市場回収品の強度検討など
用途
残留応力測定
・チューブ、パイプ、フレーム、プロペラなどの溶接部。
・タービンのロータ、ハウジング、焼結材などの熱処理品。
・ディスク、シャフトなどの加工品。
・歯車、ピン、クランク軸、シャフトなどの表面処理品。
組織の定量的測定
・回転部分、表面塑性加工材の疲労強度推定。
・耐熱部材の異常組織検出。
・大型鍛造材、鋳鍛鋼品の欠陥性状評価。
使用中被害の検出
・タービンの回転部分、容器のボルト、シャフトなどの疲労。
・タービンのロータ、ホット・パーツなどの熱疲労。
・水車ランナーベーンの亀裂の伝播。
・ローラ、歯車などの接触面損傷。
設備紹介
Rigaku製
AutoMATE
●X線管球:Cr管球
●2θ測定範囲:98~168°
●入斜コリメータ:φ150、300、500μm φ1、2、4mm
●検出器:PSPC検出器
●CCD付ズーム顕微鏡:×20~135
●ステージ制御:マッピング・ティーチング機能付
●自動XYZ軸可動範囲:XY100mm×Z40mm
●最大試料スペース:φ320×t215mm
●最大試料重量:20kg(マッピング・ティーチング時は10kg)
●解析ソフト:残留オーステナイト定量計算
残留オーステナイトマッピング表示
応力マッピング表示
●所有事業所:本社
●所有台数:1台
Q&A
- どんな材質でも残留応力の測定が可能ですか?
- X線回折を利用して測定しますので、結晶化している材質であれば測定可能です。
- 測定範囲はどれ位ですか?
- 最小でφ150μm、最大でφ4mmとなり、中間は4段階で切換え可能です。
- 測定深さはどれ位ですか?
- 材料の密度・X線の入射角にもよりますが、おおよそ数μm~数10μmになります。
- 測定の精度はどれ位ですか?
- 機械的な誤差は±20%になります。試料の材質・処理状態にもよりますが、繰り返し測定を実施すると誤差は小さくなる傾向にあります。
このページに関するお問い合わせ・お見積り
フリーダイヤルはこちら 0120-31-6620
オペレーターが内容確認後に担当よりご連絡致しますので回答にはお時間をいただきます。
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