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FT-IRによる製品に発生したカビの分析

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FT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)
異物分析

Introduction

カビは湿度が高い場所で発生しやすく、黒カビ、赤カビ、青カビなど様々な種類のカビが存在します。これらは、台所や風呂場のような水が使われる環境で発生する様子がよく見られ、水を使用しない環境であっても、湿気や結露などの影響で、倉庫や押入れでカビが発生するケースもあります。また、カビは飲食物、プラスチック、布など様々な製品で発生します。
今回は、カビが疑われる異物に対し、どのような結果が得られるかFT-IRを用いて同定解析を行いました。

Method

ホース中に観察された赤色の異物の分析を行いました。ホースは水を含む環境で使用されていたものです。

異物は、常温で乾燥させて水分を除去した後、異物のみを採取してFT-IR分析に使用しました。
分析条件:ユニバーサルATR法(分解能:4cm⁻¹、スキャン回数:16回)

Result

異物から、以上のようなスペクトルが得られました。1,700~1,500cm⁻¹にN-H変角振動、C=O伸縮振動が観察され、アミド結合を持つことが分かりました。アミド結合はポリアミド系樹脂やタンパク質が持つ結合です。
また、3,300cm⁻¹付近にO-H伸縮振動、1,000cm⁻¹付近にC-O伸縮振動が観察されました。これらの吸収から、セルロースのような多糖類を含むと推測されます。
以上の結果より、異物の成分はタンパク質と多糖類であると推察します。さらに、カビの菌糸がタンパク質と多糖類を含んでいることを踏まえると、異物はカビであると考えられます。

FT-IRを用いることで、今回のサンプルのようにカビが疑われる異物に対して、カビかどうかを簡易的に判断することが可能です。
※カビの菌種を同定したい場合は、さらに同定試験が必要になります。

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