事例・分野から探す

分野別によくご依頼をいただくサービスを紹介します

GPCによるフィルムの分子量測定

関連キーワード
HPLC(高速液体クロマトグラフ)
構造・劣化分析
樹脂

Introduction

GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲル浸透クロマトグラフィー)とは液体クロマトグラフィーの一種で、分子の大きさの違いによって分離する方法です。
高分子の分子量が測定でき、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)などの平均分子量を同時に求めることができます。さらに、分子量分布曲線を求めることができるため、見た目で分子量分布の比較が行えます。高分子材料の劣化調査、品質管理、材料特性評価など幅広く利用されています。

Method

分子量既知の標準ポリマーを用いて、分子量と溶出時間から較正曲線(検量線)を作成します。この較正曲線を使って、目的のサンプルの溶出時間から分子量を求めることができます。
サンプルには、ポリ塩化ビニリデン製のフィルムを使用しました。100℃、130℃、150℃にそれぞれ加熱処理を1時間施したものを分子量測定し、GPCによる劣化評価を実施しました。また、比較として熱劣化により変化する官能基を検出することができるFT-IRにおいて、同様に劣化評価を実施しました。

Result

確認できる劣化機構として、酸化反応の場合はカルボニル基の増加、脱塩化水素反応の場合は脱塩酸による二重結合の増加などがあります。
※詳細はFT-IRによるポリエチレンの熱劣化分析をご参照ください
しかし、得られたスペクトルからは明確な構造変化はなく、耐熱温度にあたる130℃~150℃付近では加熱劣化を確認することはできませんでした。

加熱処理温度が高くなるにつれて各平均分子量(Mn、Mw)の減少が観察されました。さらに、分子量分布を評価する指標であるMnとMwの比である分散度(Mw/Mn)が増加していることから、加熱とともに分子量のばらつきが大きくなったことが確認されました。

分子量分布曲線より、加熱処理温度が高くなるにつれて分子量が低下し、低分子量が増加していることが観察されました。


以上の結果より、100~150℃の加熱温度においても分子鎖切断が生じ、加熱劣化していることが観察できました。GPCでは、FT-IRでは確認できない初期の劣化過程を評価することも可能です。
※対象となるサンプルが溶媒に溶けることが必須です。

このページに関するお問い合わせ・お見積り

お問合わせ

PAGE TOP