News

3Dスキャナーとは:種類やスキャン方式、活用事例をご紹介

2023.12.11

技術ブログ

3Dスキャナとは_画像編集.png

目次

1. 3Dスキャナーとは
2. 3Dスキャナーの種類
3. パターン光投影方式
4. レーザー光線方式
5. 据え置きタイプとハンディタイプの違い
6. 光学式3Dスキャナーの苦手なもの
7. 反射防止剤について
8. JTLの3Dスキャンサービスでできること


1. 3Dスキャナーとは

3Dスキャナーとは、測定物三次元形状をデジタルデータとしてキャプチャするデバイスとなります。

3Dスキャナーで取得したデータは測定物の形状やサイズ、色やテクスチャを正確に捉え3Dモデルとして再現ができるため、
製造、設計、医療、CG、文化遺産保存などのさまざまな分野で利用されます。


2. 3Dスキャナーの種類

一概に3Dスキャナーと言いましても以下のように様々な種類があります。

1. 光学式3Dスキャナー
 測定物の表面をカメラやセンサーで撮影し、光学的なデータを使用して三次元形状を復元します。
 構造光法、位相差法、ステレオビジョンなどが含まれます。

2. レーザースキャナー
 レーザーを使用して測定物の表面を走査し、距離情報を収集します。
 タイムオブフライト(TOF)および位相シフト法などが一般的です。

3. CTスキャナー
 コンピュータータイムトモグラフィ(CT)スキャナーは、内部構造を可視化するためにX線を使用します。
 医療診断や産業用途で利用されます。

4. 超音波3Dスキャナー
 音波を使用して物体の表面と内部をスキャンし、3Dボリュームデータを生成します。
 医療診断や材料評価で利用されます。

5. 時間飛行型3Dスキャナー
 レーザーパルスの飛行時間を計測して、物体との距離を決定します。
 非常に高速で正確な測定が可能です。

これらの3Dスキャナーは、用途や予算に合わせて選択されます。

次に非接触の光学式3Dスキャナーのスキャン方式についてです。


3. パターン光投影方式

スキャナーのプロジェクターから縞模様のようなパターン光を照射し、パターン光の変化をステレオカメラで撮影します。
撮影された画像を三角測量の原理により3Dデータ化します。

パターン光投影方式の主なステップは以下の通りです。

1. パターン投影:プロジェクターなどを使用して、物体の表面にパターンを投影します。
 このパターンは通常、ストライプや格子状のパターンで、高コントラストで明瞭に見えるように設計されます。

2. カメラ観察:カメラが物体を観察し、パターンが物体表面にどのように投影されて変形するかを記録します。
 この際、パターンの歪みや変形が物体の形状に関連しています。

3. 三次元形状の計算:記録されたデータを基に、パターンの変形から物体の三次元形状を計算します。
 通常、幾何学的なアルゴリズムやコンピュータービジョンの技術が使用されます。

比較的精度の高いデータが得られる点や、カラーカメラを使用することで色情報も取得できるなどメリットが多くあります。
但し、形状が奥まってパターン光が届かなかったり、光が透過あるいは乱反射してしまうことで一部形状を取得できないことがあります。


4. レーザー光線方式

一方でレーザー光線方式では、対象物にスリットレーザー光を当てて、その反射光をカメラなどで受け、
三角測量の原理で対象物との距離情報を得ることでデータを取得します。
一般的に、光投影法と比べて形状取得に時間がかかりますが、高精度でデータを取得でき、
光投影法が苦手とする明るい場所での計測や光沢のある物体の形状取得も比較的やりやすい方式となります。

以下は、レーザー光線方式の主なステップです。

1. レーザー光線の発射:レーザーデバイスが非常に薄い光線(レーザービーム)を物体の表面に向けて発射します。

2. 光線の反射または散乱:レーザービームが物体の表面に当たると、光線は反射または散乱します。
 物体の表面の形状や距離に応じて、光線の反射パターンが変化します。

3. 距離の計測:レーザースキャナーに搭載された受光器(センサー)が、レーザービームが物体までの距離を測定します。
 時間飛行法(Time-of-Flight)や位相差法(Phase Shift)などが一般的な方法です。

4. データの収集:レーザースキャナーは、物体のさまざまな位置から多数の距離データポイントを収集します。
 これにより、物体の三次元形状をデジタルデータとして生成できます。

5. データの処理:収集された距離データはコンピューターで処理され、三次元形状モデルが生成されます。
 通常、ポイントクラウドと呼ばれるデータ形式で表現されます。


5. 据え置きタイプとハンディタイプの違い

光学式3Dスキャナーにはスキャン方式のほかに「据え置きタイプ」と「ハンディタイプ」で分類されます。

据え置きタイプの3Dスキャナーは測定物をロータリーテーブルの上で回転させてながらスキャンしたり、スキャナーの角度を変えながらスキャンしていきます。
そのためスキャン精度は高いですが、可動範囲に限りがあり取り回しに不便があります。

一方でハンディタイプは精度こそ据え置きタイプにくらべ劣りますが、
可搬性が高く撮影現場に持ち込んでスキャンすることが可能です。
ハンディ3Dスキャナ
出張測定サービス


6. 光学式3Dスキャナーの苦手なもの

3Dスキャナーは万能でどんな測定物もスキャンできるわけではありません。

先に述べたように3Dスキャナーはレーザー光やLED光を測定対象物へ照射することで形状を計測します。
そのため、光を反射しない黒い物や透明な物、光沢のある物や鏡面状の物などは上手くスキャンできず、
データが抜け落ちたりノイズが発生し正しいデータの取得が困難となります。


7. 反射防止剤について

上記のような測定物をスキャンする際には反射防止剤を塗布して問題を解消することができます。
反射防止剤にもいくつか種類があり、中には時間経過とともに空気中へ揮発するものも存在します。
反射防止剤の膜厚調査について


8. JTLの3Dスキャンサービスでできること

・製品の寸法測定
・設計データとの比較
・試験前後の比較
・部品間のクリアランス調査
・図面のない製品の3Dデータ化
・古い金型の再製作
・他社製品のベンチマーク
・CAE解析モデル作成
・美術品や文化財のデジタルアーカイブ
・3Dプリンタ用データ作成

上記のお困りごとがございましたらJTLにお任せください。

お問い合わせはこちら


設備詳細ページ
光学式3Dスキャナ(ATOS) ハンディ3Dスキャナ


ニュース一覧へ

評価業務にお困り事はございませんか?

JTLはお客様の頼れるパートナーとして、
シチュエーションに応じた迅速丁寧な対応を心がけております。
どんな些細なことでも構いませんので、
まずは下記のメールフォームよりお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら