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アンチグレアスプレーの膜厚調査

2022.08.02

技術ブログ

光学式の3Dスキャナを使用して3Dスキャンを行う際、対象物が透明である場合や光沢がある表面性状の場合、
上手く模様が投影できず、「期待する撮れ高にならない」といったことが起きます。

こういった場合、アンチグレアスプレー(サーフェイサー)として表面を白くする処理を行います。

しかし、サンプルの表面に塗布するため、アンチグレアスプレーの膜厚分サンプルの輪郭が
オフセットするような状態となり、これによる測定結果への懸念がありました。

そこで今回は、JTLで使用している5種類のアンチグレアスプレーの膜厚を測定し、比較検証を行いました。

アンチグレアスプレーの膜厚調査

  VR-3200.png
使用設備
3D形状測定機(キーエンス製:VR-3200)

測定方法
STEP.01 平坦なことを確認したスプレーをしていない状態の基準ブロックに、
    ..各スプレー(5種類)を1~3回塗布をしたものを作成

STEP.02 各試験片において無塗装部を高さ0とした高低差のカラーマップを作成し、
    ..スプレー塗布回数別に高さが階段状になっていれば、その段差分を膜厚とする

測定方法.jpg

検証結果

測定結果1.png

① 酸化チタンセリサイトは、元のスプレーなしとほぼ変わらない(膜厚の影響がない)結果となりました。
 しかし、透明なサンプルに対して酸化チタンセリサイトのスプレーでは透過してしまい、
 スキャンができないため、それ以外の場合に最も有効なスプレーとしてこちらをメインに使用しています。

②~⑤に関して、スプレーごとに個性があることが分かります。
 3Dスキャナ向けに作られている② ヘリングに関しては、比較的膜厚の影響を抑えつつ
 アンチグレア性能が高いため、透明なサンプルや光沢が強い場合に有効であると考えられます。

時間と共に昇華する⑤ AESUB blue(アエサブ ブルー)に関しては、時間ごとの膜厚の変化も検証しました。

検証結果2.jpg

当然ですが、時間が経つにつれ消えていくことに伴い、膜厚も薄くなっています。
サンプルが大きい場合や複雑でスキャンを始めてから終わるまでに時間が掛かるような場合は、
ムラが起きるため不向きと考えられます。

以上が、アンチグレアスプレーの膜厚調査の結果です。
今回検証したように、スプレーの特性を理解しつつ、JTLでは高品質なスキャンを追及していきます。

弊社では様々なご要望にお応えできるよう、
多くの種類の接触式測定機・非接触式測定機・X線CT装置を保有しております。
お困りの際はぜひ弊社をご活用ください。

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光学式3Dスキャナ(ATOS)


キーワード
ATOS、3Dスキャナ、透明撮れない、光沢撮れない、ノイズ

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