受託分析

カーエレクトロニクスやライフサイエンスの分析・解析で研究開発をサポートします。

物理分析による受託サービス

STEM(走査透過電子顕微鏡)

走査透過電子顕微鏡(STEM)を用いて、微小部の高空間分解能観察・高感度分析を行います。

概要

球面収差補正機能付き走査透過電子顕微鏡(Cs-STEM)を用いた測定・解析の委託先にお困りではありませんか?

JTLは総合受託会社として、Cs-STEMを用いて、微小部の高空間分解能観察・高感度分析を行います。Cs-STEM(球面収差補正機能付き走査透過電子顕微鏡)では球面収差を補正したおよそ0.1nmという極微小電子線を用いて試料断面の観察・分析を行います。明視野および暗視野のSTEM像から結晶情報や組成分布を調査や、二次電子検出器を用いて表面形状を観察することも可能です。また、付属するEDXEELSにて元素分析や化学結合状態分析も可能です。

また、観察・測定データのご提供だけでなく、環境試験や材料試験、試料の前処理(カット・研磨・エッチング)、化学分析などの一連の受託サービスをご提供しています。

外部委託先・試験場をお探しの方は是非ご依頼ください。

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原理

サブナノメートルまで細く絞った電子プローブを試料上で走査させ、走査させた位置における散乱された電子を試料下部の各種検出器で収集し、電子プローブ走査と同期させることでモニタ上に観察像を形成する手法です。また、電子プローブ走査領域から発生する特性X線を用いての元素分析や、試料下部に散乱された電子を分光することで化学結合状態評価も可能です。

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特徴

原子分解能STEMによる微小部観察が可能

サブnm以下に絞った電子線を用いて観察を行うため、結晶の原子列を観察することが可能になります。

◆Si単結晶<011>の原子分解能観察結果
下のSi単結晶を観察した事例では0.136nmの原子間隔であるダンベル構造を見ることができます。

◆原子分解能HAADF-STEM観察 ZnO中のIn原子列(白点)
原子番号に比例したコントラストを示すHAADF-STEM観察を行うことで、ZnO結晶中に規則配列したIn原子列を明確に識別することができる点も特徴として挙げられます。組成の異なる多積層膜の厚み評価などを原子層レベルで評価することが可能です。

◆鋼材表面の自然酸化膜断面観察結果
下の画像は鋼材表面を断面観察した結果です。約3nmの厚みで自然酸化膜が存在しています。
高い空間分解能でTEM観察することが可能であるため極薄膜の厚み測長もできます。

収差補正SEMでの高分解能表面観察が可能

JTLが保有しているCs-STEMは、試料上に二次電子検出器を搭載していますので、TEM像(透過像)と同時にSE像(二次電子像)の取得も可能です。カーボンナノチューブの観察例ではナノチューブ内の金属触媒が観察され、二次電子像ではナノチューブの表面形態もみることができます。
燃料電池触媒などで本手法を用いることで、担持カーボンの表面に存在する金属触媒と劣化によりカーボン内部に入り込んだ金属触媒とを識別することも可能になります。

Dual-EDXシステムによる高感度分析が可能

JTLが保有しているCs-STEMは、100mm2大口径検出器を2本搭載していますので、高い検出効率でEDX分析を行うことができます。これにより、短時間でTEM観察領域内の組成分布を調べることができ、電子線に弱い材料なども評価が可能となります。
下に示した磁気ヘッド素子の分析例では、様々な元素の積層構造であることがわかりました。

原子分解能での構造把握が可能

サブnmまで電子線を絞ることができるため原子分解能のEDXマッピングも可能です。
下に示した例ではセラミックス材料であるSrTiO3のSrとTi原子列をそれぞれ捉えることができており、マッピング画像を重ね合わせることで、どのような原子構造であるか調査することが可能です。

技術事例

大気非曝露ホルダーによる変質防止

大気非曝露ホルダーも保有しており空気に触れることで変質しやすいリチウムイオン電池材料の非曝露評価も可能です。下に示したカーボン負極のTEM像を見ますとカーボン活物質間のSEI層が大気に触れることで変質している様子がうかがえます。
また、FIB加工装置とTEM装置で同一の非曝露ホルダーを使用することができるため、水分などに非常に敏感な固体電解質評価にも有効です。
その他、非曝露冷却ホルダーやグローブボックスも保有していますので、お気軽にお問い合わせください。

Dual-EELSによる化学状態分析・軽元素の検出

JTLが保有しているCs-STEM(球面収差補正機能付き走査透過電子顕微鏡)は、EELS検出器を搭載しています。EELS(Electron Energy-Loss Spectroscopy)とは、入射電子とサンプルが相互作用を起こしエネルギー損失した電子のピークを用いて、元素の同定や組成・状態分析ができる手法です。
例として、リチウムイオン二次電池の正極活物質の表面から内部にかけてライン分析した結果を下に示しています。Mn、Co、NiのL吸収端に着目していますが、いずれの元素も活物質内部と比べ表面側でピークトップが低エネルギー側(低価数側)にシフトしている様子が認められます。同様に金属元素が酸化物に変化している様子やEDXでは検出が難しいLi、Be、Bなどの軽元素の検出が可能です。

EELSによるLi化合物の分布評価

上で述べたようにEELSは、EDXでは検出が難しいLiの検出が可能です。
カーボン負極に生成したLi化合物の分布を評価した結果を下に示しています。この結果から、カーボンの周辺にLi化合物が厚く形成されている様子が認められます。任意領域からLiのスペクトルを抽出し、リファレンススペクトルと比較することでどのようなLi化合物か推定できる可能性もあります。

設備ラインナップ

  • 日立ハイテクノロジーズ製

    HD-2700

    ●倍率:100~10,000,000倍
    ●分解能:0.105nm(200kV)
    ●搭載OPP
     Dual-EDX(Oxford社)
     Dual-EELS(Gatan社Enfinium)
     非曝露、冷却ホルダー
     二次電子検出器(SE)
     低加速電圧:80,120kV
    ●所有台数:1台
    ●所有事業所:神戸

Q&A

Q.観察条件の指定は必要でしょうか?

A.基本はご指示いただいた条件にて観察を行いますが、条件が決定できない場合は任意で撮影を行い、再度、観察箇所や倍率などのご相談をさせていただきます。

Q.データはどのような形式でいただけますか?

A.ご指定のフォーマットもしくは弊社のフォーマットにて報告書を作成します。
また写真の元データもJPEG・BMP・TIFFの形式で提出可能です。

Q.試料の調整(前処理・FIB加工等)から作業を依頼することは可能ですか?

A.切断・研磨・FIB等の設備を所有していますので、観察・分析の前処理が可能です。

Q.立会測定は可能ですか?

A.はい、可能です。相談しながら、ご指示いただけますと、より的確なデータの取得が期待できます。

Q.電子回折図形を取得して結晶構造解析することは可能ですか?

A.STEM専用機であるため電子回折図形取得時の収束角が大きくなり、取得・解析は困難となります。ご希望の際は協力会社にて実施させていただきます。

Q.観察後の薄片試料は返却してもらえますか?

A.試料薄片加工のノウハウがあるため基本的に返却はお断りしています。ただ、情報管理の観点から弊社での保有が難しい場合は契約時にその旨をお伝えいただけましたら対応します。

評価業務にお困り事はございませんか?

JTLはお客様の頼れるパートナーとして、
シチュエーションに応じた迅速丁寧な対応を心がけております。
どんな些細なことでも構いませんので、
まずは下記のメールフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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