News
News
2024.07.29
技術ブログ
この度2020年に導入しましたLEITZ製INFINITYに続き、
超高精度の三次元測定機 ZEISS製 PRISMO ultraを名古屋事業所に導入しました。
現在、弊社所有の三次元測定機は34台になりました。
最大許容長さ誤差 0.5+L/500μm
数値だけですとあまりイメージしにくいかもしれませんが他の測定機と比較し
グラフ化すると一目瞭然です。(下図)
測定定盤に温度センサーを搭載し温度変化による定盤の歪みを補正していることや、
分解能0.02μmのゼロデュアスケールより測定長の影響までも最小限に抑制していることで
超高精度化を実現させています。
特にPRISMO ultraは研究開発向けの高精度部品やゲージ、マスターワークの校正検査など
極めて高い精度の測定に最大の効果を発揮します。
実際に使用してみて長尺の製品を測定した際の正確性と繰り返し性は今までの測定機より
遥かに高いことが実感できました。
他にもたまに図面で見かけるデータム軸の短い同軸度や直角度の評価等、
幾何公差の測定でも安定した再現性を得ることが可能になりました。
正確な測定を行う上で環境は非常に重要な要素です。
物質は高温時に膨張して大きくなり、低温時に収縮して小さくなる性質があり
測定環境(室温)に依存します。これは製品の長さや熱膨張係数によって大きく異なり
長さが長いほど、また熱膨張係数が大きいほど製品寸法に大きな影響をもたらします。
そのためいくら精度の高い測定機を使用していても室温管理が徹底されていなければ
実際の寸法との差異が大きく現れてしまい意味がありません。
例.アルミニウム(長さ1000mm)の場合
温度が1℃変化すると長さが0.0235mm変化します。
ISO-1には製品の幾何特性仕様及び検証のための標準基準温度は20℃と定められており
弊社測定環境も20℃に設定されています。
測定室の構造
超高精度の三次元測定機(Leitz製:Infinity/ZEISS製:PRISMO ultora)は
他の測定機とは個別に20℃±0.5℃の徹底された温度環境下で測定を実施しています。
メッシュカーテンの奥にエアコンがあり、
冷やされた空気が徐々に測定室全体にいきわたる構造になっていて
四隅にある吸気ファンで空気を常に循環しています。
室温は温度センサーにより24時間常にモニタリングしています。
個別に管理しているとはいえ、20℃±0.5℃を保つのは非常に大変です。
特に梅雨時期は雨が降れば気温が低く、晴れると高くなり外気温の影響も受けて
エアコンの設定温度を0.5℃刻みでこまめに調整をおこなっています。
1日の温度差や1週間での温度差があまりない真夏や真冬の方が管理しやすいです。
ロータリテーブルは測定機本体の3軸とロータリテーブルの回転軸を同期する
4軸スキャニング測定により、歯車やインペラなどの複雑形状の回転体の測定が
非常にスムーズになります。
また測定機本体の各軸の移動を抑えることで真円度及びそれに類した測定で
精度向上のメリットがあります。
精密ギヤ測定
歯車の中でも最も多く成形・加工されているインボリュート円筒歯車(平歯/はす歯)
に対し、歯形誤差・歯すじ誤差・ピッチ・振れといった評価が可能です。
歯車測定機では固定のできない複雑な形状の歯車でも三次元測定機であれば測定できるのもメリットの一つです。
今までロータリテーブルが導入される前までは
歯車を測定するにも三次元測定機のプローブを回転させて測定していたため、
測定の準備やプログラムの調整に時間がかかっていました。
特に歯数の多い歯車はその分プローブの回転角も多く大変でしたが
今ではプローブを回転させる必要がないので非常に楽で精度よく測定ができます。
他にも段付き円筒を測定する際に測定子を部分的に変える必要がないので
回転体の測定には非常に有効的です。
▼超高精度三次元測定機スペック
ライツ製
Infinity 12107
●対応サイズ:X1,200×Y1,000×Z700mm
●最大許容指示誤差:0.3+L/1,000μm
●最大許容プロービング精度:0.4μm
●最大許容スキャニング精度:0.8μm
●ロータリーテーブル
カールツァイス製
PRISMO Ultra
●対応サイズ:X900×Y1300×Z650mm
●最大許容指示誤差:0.5+L/500μm
●最大許容プロービング誤差:0.5μm
●最大許容スキャニング誤差:0.9μm
●ロータリーテーブル
弊社では要求精度の高い精密部品から歯車等の回転体、校正検査など
超高精度三次元測定機を使用した受託測定に対応しております。
お困りの際はお気軽にご相談下さい。
評価業務にお困り事はございませんか?
JTLはお客様の頼れるパートナーとして、
シチュエーションに応じた迅速丁寧な対応を心がけております。
どんな些細なことでも構いませんので、
まずは下記のメールフォームよりお気軽にお問い合わせください。