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接触式と非接触式の表面粗さ測定技術の特徴と用途

2025.01.24

技術ブログ

表面粗さ測定は、製品の品質管理や開発プロセスにおいて非常に重要な役割を果たします。
特に、製造業では表面の仕上げが製品の性能や耐久性に大きく影響を与えることがあります。

この記事では、接触式と非接触式の表面粗さ測定技術の特徴とその用途について詳しく解説します。

目次

1.接触式表面粗さ測定
2.非接触式表面粗さ測定
3.接触式と非接触式の選び方
4.接触式が有利な場面
5.非接触式が有利な場面
6.まとめ


1.接触式表面粗さ測定

接触式表面粗さ測定は、測定プローブ(触針)が実際に表面に接触し、
その動きをセンサーが検出して粗さを測定する方法です。

表面粗さ測定

特徴
・高精度:接触式は非常に高い精度で表面粗さを測定することができる
・コスト効果:一般的に、接触式測定機は非接触式に比べてコストが低い
・多用途:金属、プラスチック、ガラスなど様々な材料に対して使用可能

用途
・製造業:部品の仕上げ確認や品質管理
・研究開発:新材料の特性評価や加工技術の開発
・医療機器:医療器具やインプラントの表面品質管理


2.非接触式表面粗さ測定

非接触式表面粗さ測定は、レーザーや光を使用して表面をスキャンし、
その反射や干渉を解析して粗さを測定する方法です。

レーザー顕微鏡
表面性状測定
ブログ画像①.png

特徴
・高速測定:非接触式は接触式よりも広い面積を高速で測定することができる
・非破壊測定:表面を傷つけずに測定が可能
・複雑な形状に対応:複雑な形状や柔らかい材料にも対応できる
・豊富な解析:線粗さに加え、三次元パラメータにも対応できる

用途
・半導体産業:ウエハやチップの表面品質管理に利用される
・航空宇宙産業:航空機部品の表面品質確認や、外部損傷の検査に使用される
・消費財:スマートフォンや家電製品の表面仕上げ確認に利用される


3.接触式と非接触式の選び方

適切な表面粗さ測定方法を選ぶためには、測定対象の特性や測定環境、求められる精度、コストなどを
総合的に考慮する必要があります。

例えば、コストや検査数を重視する場合には接触式が適しています。

一方、広域測定や複雑な形状の測定、接触式の触針が届かないような微細な評価が必要な場合には
非接触式が有利です。


4.接触式が有利な場面

・非常に深い表面粗さの測定
接触式の測定プローブは、触針が届く限り、表面の凹凸や深い溝を測定することができます。
非接触式の技術では、光の反射や干渉を利用しているため、対物レンズが干渉するような深い溝や急峻な凹凸の測定には限界があることがあります。

・電導性材料の測定
非接触式の測定は、光学的手法(レーザーや白色光干渉など)に依存するため、光を吸収する材料や反射しにくい材料の測定は困難なことがあります。
接触式は、電導性材料にも影響されず安定した測定が可能です。

・測定環境の影響が少ない
接触式は直接的な接触による測定のため、周囲の光や、振動などの環境要因に対する影響が比較的少ないです。
非接触式は、これらの環境要因に対して影響を受けることがあります。

・表面の物理的性質の影響を受けにくい
非接触式は、表面の光沢や色、透明度、膜厚などの物理的性質に依存することがありますが、接触式はこれらの影響を受けずに測定が可能です。
ブログ画像②.png


5.非接触式が有利な場面

・高速で広範囲の測定
非接触式はレーザーや光を利用しているため、一度に広範囲を高速でスキャンできます。
接触式で位相をずらしながら複数線をするよりも短時間で大量のデータを取得・解析することが可能です。
ブログ画像③.png

・柔らかい材料の測定
非接触式は表面に直接接触しないため、柔らかい材料や繊細な表面でも測定が可能です。
接触式は柔らかい材料に対して測定プローブが表面を傷つける可能性があるので、製品保護が必要な場合でも測定ができるようになります。
ブログ画像④.png

・大型部品や複雑な形状の測定
弊社ではレプリカ法と呼ばれる手法を用いることで、直接検査の難しい製品でもレプリカから測定が可能です。
レーザー光が当たらないほど複雑な面や、部品の運搬や本体からの取り外し困難、測定機に載せる事が出来ない製品など幅広く対応します。

レプリセットを用いた形状/粗さ評価(レプリカ法)
ブログ画像⑤.png


6.まとめ

表面粗さ測定技術は、製品の品質と性能を確保するために欠かせない重要な技術です。

接触式と非接触式の両方の特徴と用途を理解することで、適切な測定方法を選び、
より高品質な製品を提供することが可能です。

弊社ではお客様の製品やニーズに合わせて、最適な測定方法をご提案します。

お困りの際はお気軽にご相談下さい。

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