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レプリセットを用いた形状/粗さ評価の解消事例

2025.05.08

技術ブログ

レーザー顕微鏡や白色干渉顕微鏡を使用した形状や表面粗さの測定では、
測定機のレーザー光もしくは白色光が測定箇所に正しく照射できることが前提です。

しかしながら、以下のような理由で照射が出来ず、評価が難しい場合があります。
・測定箇所が奥まっており、入り組んだ形状
・重量やワークサイズが測定機のステージに積載できる上限を超えている
・機密性が高く、社外へ製品を持ち出せない
・建物や構造物の一部であるため取り外すことが出来ない

こうした際にレプリセットを使用してレプリカを作成することで、お困りごとを解決することができます。

レプリセットとは

レプリセットとは、測定品の表面形状を二液混合シリコンゴムに転写するキットです。
ゴムを専用のシリンダから押し出し、測定品表面に塗布します。

レプリセットは以下のような特徴があるため、形状測定・表面粗さ測定に最適です。
・高解像度(0.1μm)での転写が可能。
・収縮が限りなく発生しない。
・金属、セラミック、樹脂、ガラスといったほとんどの固体材料に対応。
・-10℃~180℃の測定品温度に対応。
・10~15分で硬化する。
・匂いが無く、素手に付着しても無害。

レプリセットの転写精度や塗布風景はこちらの記事をご参照ください。
レプリセットを用いた形状/粗さ評価(レプリカ法)

レプリセット活用事例1 入り組んだ形状

図1の穴内径部の表面粗さを測定する場合、接触式では穴が狭く触針を入れることができません。
また、非接触式でもレーザー光や白色光を測定箇所に当てられないため、
測定品を切断しなくてはいけません。

しかしながら、レプリセットを使用することで、測定品を破壊することなく測定が可能になります。
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図1 レプリセット塗布前の測定品(狭い内径部の測定)

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図2 レプリセット塗布後の測定品(狭い内径部の測定)

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図3 転写したレプリカ(狭い内径部の測定)

穴径を転写した為、レプリカ自体は円柱形状になります。

レプリカから切り出した穴径転写部を金属板に固定して、表面粗さを測定します。

Figure_4.png
図4 レーザー顕微鏡でのレプリカ測定風景(狭い内径部の測定)

レプリセット活用事例2 重量物・巨大物

重量のある金属部品や、巨大サイズの部品の表面形状や粗さもレプリカを作成することで測定が可能になります。

Figure_5.png
図5 レプリセット塗布後の測定品(ランプ表面の測定)

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図6 レーザー顕微鏡でのレプリカ測定風景(ランプ表面の測定)

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図7 レプリセット塗布後の測定品(重量のある金属部品の測定)

Figure_8.png
図8 白色干渉顕微鏡でのレプリカ測定風景(重量のある金属部品の測定)

アウトプットイメージ

表面形状の3D図のほか、粗さ曲線と表面粗さパラメータ実測値をエクセルファイルでまとめることも可能です。

Figure_9.png
図9 表面形状3D図の例

Figure_10.png
図10 粗さ曲線と表面粗さパラメータ実測値の例

各設備の紹介ページに詳細なアウトプット内容を掲載しておりますので、ご参照ください。

レーザー顕微鏡
表面性状測定

出張対応・販売について

レプリセットのキット一式を持った弊社技術者がお客様の拠点に出張し、
その場でレプリカ作成・レプリカを持ち帰って測定というご対応も可能です。(過去実績があります)

機密や重量の都合で持ち出せない製品の評価には、このような出張対応をご活用ください。

また、キット自体を弊社から販売することも可能です。

弊社ではご依頼に応じて最適な測定、アウトプットをご提案しております。
製品評価でお困りの際は、気兼ねなくお問い合わせください。

 お問い合わせ先はこちら


設備詳細ページ
レーザー顕微鏡 表面性状測定 表面粗さ測定


キーワード
レプリカ、レプリカ法、形状測定、表面粗さ測定、レーザー顕微鏡、白色干渉顕微鏡、非接触測定

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